介護での排せつの味方!Helppad(ヘルプパッド)
排せつの対応は、介護の中でも特に大変なことですよね。
今回は、排せつの負担を軽減する道具、「Helppad」をご紹介します。
残念ながら、まだ使えるエリアが限られているとのことですが、これから使用できる範囲が広がってくるのかなと思います。
◆Helppadはこんな方に適しています
・トイレには行けるが、タイミングが合わずオムツを使用している
・オムツのチェックが大変
・オムツ交換のタイミングが難しく、オムツかぶれがひどい
・何とかオムツでなく自力で排泄できるのが理想だけど、排泄のタイミングが分からない
◆Helppadとは?
Helppadは「におい」で排尿と排便を検知する特殊なセンサーが付いたシートで、ベッドの上に敷いて使用します。
これにより、オムツをチェックすることなく、排泄があったことが分かる仕組みです。
創業者は千葉大工学部卒業の方で、ご自身の祖母を介護した経験や、特別養護老人ホームでの実習で「オムツを開けずに中がわかったら」という声を聞いたことが開発のきっかけだったそうです。
さらに、Helppadは日々の排泄の時間を学習して、排泄のタイミングを予測してくれます。
これによって、トイレ誘導のタイミングがわかり、オムツがなくとも自力で排泄できたり、失禁が減ったという方もおられるようです。
うまく使うことができれば、排泄の負担が軽減できるのではないでしょうか。
全国での利用はまだ先のようですが、もしご興味がある方はお問い合わせてみてはいかがでしょうか。
問合せ先:株式会社aba
TEL 047-494-6823
<終>
今の介護度がどれくらいなのか、おおよそのシミュレーションが可能です。
お一人お一人によって、適切なサービスの組み合わせや内容は変わります。
ケアマネジャーにご相談頂くか、ケアエコの相談サービスをご利用ください。
2022年にえん在宅医療クリニックを開業。
【みんなどうしてる?】在宅介護のトイレ対策
在宅介護において、もっとも辛いことの一つが排泄に関するトラブルだと思います。
特に夜間の頻回なトイレは、身体的にはもちろん、精神的な負担は相当なものですよね。
今回は、twitterの投稿から、排泄トラブルの解決方法をピックアップしてみました。
◆頻尿に悩んだらまずは原因を考えてみましょう
頻尿は、原因によっては改善できる場合があります。
原因の一つに「足のむくみ」があります。足のむくみは、足に水分がたまっていることを表しています。その原因のほとんどは、静脈弁不全という、加齢に伴う変化です。
参考記事:「むくみ」はどうやって対処したらいいの?
そして、夜寝るときに横になると、足にたまった水分が体に戻っていきます。
その結果、体の水分が増えて尿となって出ていくのです。
そのため、むくみの対策をすることは、夜間頻尿の改善につながる可能性があります。
これは、日中に足をなるべく挙げておく(30分以上を1日3~4回)ことが有効です。
Care Livingさんもこれを試してみてうまくいったようです。
その他、頻尿に対しお薬が効く場合もあります。
一度かかりつけの先生に相談してみましょう。
◆トイレへの移動が大変
トイレへ移動する際のお手伝いや見守りが大変…というお悩みもよく聞かれます。
・移動手段
認知症のお母様を介護されているのりさんは、発想の転換で家に余っていたある家具を使って工夫されました。
・ポータブルトイレ+手すり
本格的に歩くのが厳しくなってきた時には、やはりポータブルトイレ+手すりの設置が王道のようです。
最近では、木目調であったり、ぱっと見はおしゃれなイスにしか見えないポータブルトイレも出てきています。
・押し入れをトイレに改造
ポータブルトイレはイヤ!という方もおられると思います。そこでなんと、押し入れをトイレにしてしまうという方法があります。
工事が必要なためお金はかかりますが、介護保険が適応されますので、1~3割の自己負担で済みます。
トイレが遠くて困っているという方は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
◆「臭い」が気になる
トイレ関係の臭いが気になるという方も多いのではないでしょうか。
臭い対策に関するいくつかの投稿をご紹介します。
・重曹
重症は、アルカリ性の性質を持つため酸性の汚れを効果的に落とすことができ、さらに消臭効果もあります。
Care Livingさんも効果を実感されたみたいですね。
・消臭剤
介護用の強力な消臭元が売られているそうです。確かにフィルムを外せば普通の消臭元と見分けはつかなそうですね。
・使い捨てパック
ポータブルトイレのバケツにかぶせて使えるタイプです。
処理が簡単にでき衛生的で、臭い対策にもなりそうです。
◆トイレの場所が分からない
認知症をお持ちの方では、トイレに間に合わずに失敗してしまうケースも多いですよね。
その原因は、尿意を感じにくくなり直前まで気付かないなど色々なことが考えられますが、「トイレの場所が分からずに間に合わない」という場合があります。
この場合、トイレのドアのデザインを変えることで解決できるかも知れません。
最近では、認知症の方にもフレンドリーなデザインが注目されています。
さすがにここまで派手にはしづらいですが、目立つ工夫をするだけでも変わりそうです。
いかがでしたでしょうか。
人が日々生活していく上では排泄は切っても切れない問題ですので、少しでもストレスなく過ごすことができればと思います。
皆さん色々な工夫をされていますが、ご参考になれば幸いです。
今の介護度がどれくらいなのか、おおよそのシミュレーションが可能です。
お一人お一人によって、適切なサービスの組み合わせや内容は変わります。
ケアマネジャーにご相談頂くか、ケアエコの相談サービスをご利用ください。
介護の排泄、お悩み解決!
尿漏れ予防は毎日の引き締めから!
【ウエルライフ地域リハビリテーション・看護センター所長/作業療法士 山田京子先生ご寄稿】
骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れを防ぐことができます。今回は尿漏れを防ぐリハビリテーションをお知らせします。
<ハンモックのゆるみに注意!>
図のように骨盤底筋群は骨盤にハンモックのようについています。加齢とともに筋力が落ちゆるんでくるのは、想像しやしですね。
特に女性は妊娠や出産を経る方も多く、骨盤底筋群に負担がかかりがちです。考えてみましょう。ハンモックの上に生まれる前の赤ちゃん(3kgくらい)を載せていたら、ハンモックは下にさがりますよね。出産の際は開くわけですから、横に伸びてしまいます。
体の中のことで見えない分30代から骨盤底筋群のゆるみが始まっているのです。
でも以下の体操を日々の生活の中で心がけて頂ければ大丈夫。かくゆう筆者も咳をしたり、深くおしりを落として座った時の尿漏れに悩みましたが、現在は、その心配はなく過ごしています。
<骨盤底筋を鍛える体操>
①*上を向いて寝ます。
②肩幅に開いた両膝を曲げ、両手をおなかの上に置きます。
③ゆっくりとした呼吸で、肛門→尿道→膣の順に陰部全体を引き締めていきます。ぎゅっと引き締まったらからだをリラックスさゆるめます。
④「引き締める」「ゆるめる」を交互に行って下さい。
*慣れてきたら、椅子に座ったり、立っている時でも意識して行って下さい。
<男性の尿漏れ>
尿漏れは女性だけではありません。男性の場合は前立腺の病気で始まることも多く、そのサインを見逃さないようにしたいものです。
早期発見により薬物療法が効果を上げます。男性の方も心を引き締めましょう!
世界初!排泄予測センサー「DFree」
在宅療養では、失禁やオムツ交換など、排泄に関するお困りごとは多いですよね。
実際に厚生労働省の調査では、介護している方のうち要介護1-2では約25%、3以上では約半数の方が排泄に関する不安を持っていることが分かりました。
実際に、排泄に関するトラブルでご家族が苦労されているのはよくお見かけします。
そこで今回は、世界初の排泄予測デバイスである「DFree」をご紹介させて頂きます。
※当サイトは商品のメーカー及び発売元とは一切関係ございません。
■超音波で膀胱内に溜まった尿の量が分かる
DFreeの仕組みは、消しゴム位の大きさの超音波センサーを恥骨の上あたりに貼り付けることで、4方向の超音波が膀胱の大きさを自動で計測してくれます。それにより、膀胱内の尿の量をリアルタイムで知ることができます。
例えば、トイレに誘導するタイミングが早すぎる、もしくは遅すぎて失禁してしまう、という問題がこれで解決できるように思います。
また、オムツ交換も適切なタイミングで行うことができそうです。
医師の視点から見ると、排尿障害(尿がしっかり出せない病気)の診断、治療にも使えそうだと思いました。
■効果
メーカーさんの資料によると、DFreeを装着することにより、次のような効果が認められたそうです。
①自立排泄の改善
トイレでの排泄率が23.7%増加。
②失禁率の減少
失禁回数が46.8%減少。
③介護負担の軽減
排泄関連作業が22.5%減少。
■考えられるデメリット
このように、とても活用できそうな機器ですが、考えられるデメリットもあります。
一つは価格です。個人向けのDFree Personalの価格は5万円前後です(2021年2月時点)。業務用ならまだしも、自宅で在宅療養している個人向けとしては高めな印象です。分割払いもできるそうですが、今後もっと入手しやすくなると良いですね。
もう一つは、想像ですがこの機器を装着したまま生活するのは人によってはちょっと大変そうです。特に認知機能が落ちている方などでは外してしまう可能性が高いかも知れません。装着を補助するDpadという付属品もあります。
排泄でお悩みの方には、使い方によっては大変有用かと思いますし、画期的な技術だと思います。ご家族の負担が減ればとても素晴らしいことです。
今後、より多くの方が恩恵を受けられるためにも、低価格化、小型化に期待です。
夜間の頻尿!これって病気?
夜、トイレに起きる回数が増えたとご相談頂くことがあります。
何かの病気の前兆ではないかと心配になりますよね。
また、夜の尿回数が多いと、睡眠の質も低下してしまい、QOL(生活の質)の低下につながります。
今回は、夜間の尿回数が増えた時に考えられる原因と対応について述べさせて頂きます。
■大事なのは「出ている尿の量」
夜の尿回数が増えたと感じた時に、まず確認して頂きたいことがあります。それは、一回毎の尿の量です。正確な量まで計っていただく必要はありませんが、ジョロジョロと普通の量がでるのか、それともチョロっと出ておしまいなのかだけでも有用な情報です。
なぜかと言いますと、これにより考えられる原因が以下に述べるように異なってくるからです。
■一回の尿量が少ない場合
この場合、考えられるのは
・過活動性膀胱
・膀胱炎
・前立腺肥大症(男性の場合)
・神経因性膀胱
・便秘
・不眠症、うつ病
などです。
頻度が多いものとしては過活動性膀胱、前立腺肥大症です。これらは緊急性の高い病気ではなく、上手に付き合っていく必要があります。お薬を使うことで改善が見込めますが、副作用もあるため、日常生活に支障がなければ様子を見ることも多いです。
今までにも膀胱炎になったことがあったり、排尿時の痛み、残尿感、血混じりの尿を伴う場合には膀胱炎の可能性が高くなります。膀胱炎の場合は抗生物質を服用することで治ります。また、治療があまりに遅れると腎盂腎炎という重度の感染症に進むことがありますので、早めに主治医の先生にご相談下さい。
神経因性膀胱とは、排尿するための筋肉を動かす神経系の異常により起こります。ほとんどはすでに病気がある方(糖尿病、脳梗塞、脊髄の病気など)に起こります。こちらもお薬が有効です。
あとは、不眠症やうつ病により「眠れないからトイレに行く」というパターンもあるため注意が必要です。
■一回の尿量が普通~多い場合
こちらの方がより注意すべき場合です。
この場合、考えられるのは
・心不全
・腎不全
・糖尿病
・高血圧症
・お薬の副作用
などです。
体重が急に増えていたり、むくみが出てきた時は心不全や腎不全を疑う必要があります。
また、糖尿病により血糖値が高くなることで尿の量が増えることがあります。糖尿病は血液検査をしないと分かりませんが、市販の尿検査テープが参考になる場合もあります。
血圧が高かったり、お薬の副作用で尿の量が増えることもあります。
いずれにしてもこの場合は早めに主治医の先生にご相談した方が良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。夜間の頻尿にもたくさん原因があります。
一回の尿の量が大事な手掛かりになりますので、ぜひ確認してみて下さい。
何かありましたら主治医の先生、または当サイトの医師相談へご相談下さい。