在宅お役立ち情報

care-eco's magazine

2022/03/27

介護での排せつの味方!Helppad(ヘルプパッド)

排せつの対応は、介護の中でも特に大変なことですよね。

今回は、排せつの負担を軽減する道具、「Helppad」をご紹介します。

残念ながら、まだ使えるエリアが限られているとのことですが、これから使用できる範囲が広がってくるのかなと思います。

◆Helppadはこんな方に適しています

・トイレには行けるが、タイミングが合わずオムツを使用している

・オムツのチェックが大変

・オムツ交換のタイミングが難しく、オムツかぶれがひどい

・何とかオムツでなく自力で排泄できるのが理想だけど、排泄のタイミングが分からない

◆Helppadとは?

Helppadは「におい」で排尿と排便を検知する特殊なセンサーが付いたシートで、ベッドの上に敷いて使用します。


写真(公式HPより)


これにより、オムツをチェックすることなく、排泄があったことが分かる仕組みです。


創業者は千葉大工学部卒業の方で、ご自身の祖母を介護した経験や、特別養護老人ホームでの実習で「オムツを開けずに中がわかったら」という声を聞いたことが開発のきっかけだったそうです。


さらに、Helppadは日々の排泄の時間を学習して、排泄のタイミングを予測してくれます。

これによって、トイレ誘導のタイミングがわかり、オムツがなくとも自力で排泄できたり、失禁が減ったという方もおられるようです。


Helppadの使い方(公式HPへ)

うまく使うことができれば、排泄の負担が軽減できるのではないでしょうか。


全国での利用はまだ先のようですが、もしご興味がある方はお問い合わせてみてはいかがでしょうか。

問合せ先:株式会社aba

TEL 047-494-6823

HP https://helppad.jp/


<終>


今の介護度がどれくらいなのか、おおよそのシミュレーションが可能です。

ケアエコ今の介護度予想 >


お一人お一人によって、適切なサービスの組み合わせや内容は変わります。

ケアマネジャーにご相談頂くか、ケアエコの相談サービスをご利用ください。


在宅医療・介護のお悩み解決プラットフォーム

これからの介護がご不安な方に

安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。
2022年にえん在宅医療クリニックを開業。
2021/12/17

【みんなどうしてる?】在宅介護のトイレ対策

在宅介護において、もっとも辛いことの一つが排泄に関するトラブルだと思います。

特に夜間の頻回なトイレは、身体的にはもちろん、精神的な負担は相当なものですよね。

今回は、twitterの投稿から、排泄トラブルの解決方法をピックアップしてみました。


◆頻尿に悩んだらまずは原因を考えてみましょう

頻尿は、原因によっては改善できる場合があります。

原因の一つに「足のむくみ」があります。足のむくみは、足に水分がたまっていることを表しています。その原因のほとんどは、静脈弁不全という、加齢に伴う変化です。


参考記事:「むくみ」はどうやって対処したらいいの?


そして、夜寝るときに横になると、足にたまった水分が体に戻っていきます。

その結果、体の水分が増えて尿となって出ていくのです。


そのため、むくみの対策をすることは、夜間頻尿の改善につながる可能性があります。


これは、日中に足をなるべく挙げておく(30分以上を1日3~4回)ことが有効です。

Care Livingさんもこれを試してみてうまくいったようです。



その他、頻尿に対しお薬が効く場合もあります。

一度かかりつけの先生に相談してみましょう。


◆トイレへの移動が大変

トイレへ移動する際のお手伝いや見守りが大変…というお悩みもよく聞かれます。


・移動手段

認知症のお母様を介護されているのりさんは、発想の転換で家に余っていたある家具を使って工夫されました。


・ポータブルトイレ+手すり

本格的に歩くのが厳しくなってきた時には、やはりポータブルトイレ+手すりの設置が王道のようです。

最近では、木目調であったり、ぱっと見はおしゃれなイスにしか見えないポータブルトイレも出てきています。


・押し入れをトイレに改造

ポータブルトイレはイヤ!という方もおられると思います。そこでなんと、押し入れをトイレにしてしまうという方法があります。

工事が必要なためお金はかかりますが、介護保険が適応されますので、1~3割の自己負担で済みます。

トイレが遠くて困っているという方は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。


◆「臭い」が気になる

トイレ関係の臭いが気になるという方も多いのではないでしょうか。

臭い対策に関するいくつかの投稿をご紹介します。


・重曹

重症は、アルカリ性の性質を持つため酸性の汚れを効果的に落とすことができ、さらに消臭効果もあります。

Care Livingさんも効果を実感されたみたいですね。


・消臭剤

介護用の強力な消臭元が売られているそうです。確かにフィルムを外せば普通の消臭元と見分けはつかなそうですね。


・使い捨てパック

ポータブルトイレのバケツにかぶせて使えるタイプです。

処理が簡単にでき衛生的で、臭い対策にもなりそうです。


◆トイレの場所が分からない

認知症をお持ちの方では、トイレに間に合わずに失敗してしまうケースも多いですよね。

その原因は、尿意を感じにくくなり直前まで気付かないなど色々なことが考えられますが、「トイレの場所が分からずに間に合わない」という場合があります。


この場合、トイレのドアのデザインを変えることで解決できるかも知れません。

最近では、認知症の方にもフレンドリーなデザインが注目されています。

さすがにここまで派手にはしづらいですが、目立つ工夫をするだけでも変わりそうです。



いかがでしたでしょうか。

人が日々生活していく上では排泄は切っても切れない問題ですので、少しでもストレスなく過ごすことができればと思います。

皆さん色々な工夫をされていますが、ご参考になれば幸いです。


今の介護度がどれくらいなのか、おおよそのシミュレーションが可能です。

ケアエコ今の介護度予想 >


お一人お一人によって、適切なサービスの組み合わせや内容は変わります。

ケアマネジャーにご相談頂くか、ケアエコの相談サービスをご利用ください。


在宅医療・介護のお悩み解決プラットフォーム

これからの介護がご不安な方に

安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。
2021/07/20

介護の排泄、お悩み解決!

「オムツがえが多くて大変」「トイレに行くのが心配…」 
介護の中でも、特に「排泄」でお悩みの方は多いのではないでしょうか。

特に今まで自分がそんなことに関わるとも思ってなかった中で、いきなりそのような状況になったりすると本当に大変な思いをされることがありますよね。

排泄は、衛生面だけでなく、羞恥心や尊厳といった人の根幹にも関わる部分でもあり、対応が難しいことも多いと思います。

今回は、ご自宅での介護で排泄対応に困っている方、これからご自宅で介護を始められる方に、在宅療養でよくある排泄のトラブルの原因と対策についてお話させていただきます。

■基本の考え方
動物は排尿、排便をするのに場所や時間を選びません。しかし、人はそういうわけにはいきません。

排泄というのはただ「排尿する、排便する」という動物的な行為だけではなく、その人のプライバシーや尊厳に深くかかわることです。

そのため、排泄のトラブルにあたっては以下のことに気を配る必要があります。

・羞恥心への配慮
本来、排泄は他人に見られずにするとてもプライベートなものです。仕方がないとは言え、排泄を他人にお世話してもらうことということは誰しも羞恥心を感じることです。

また、子供ではなく大人ということもあり、自分で出来ないことへの悔しさなどもあるかと思います。
そのため、なるべくプライベートな空間を作ってあげたり、本人に任せられるところは任せたり、見られる時間を短くするなどの配慮がとても大切になります。

・安全への配慮
排泄の時、転倒などの事故が起こりやすいというのは実際にデータとして出ています。
そのため、ご本人の残っている体の機能のなかで、安全な排泄環境を整える必要があります。
本来プライベートな行為である排泄時は気が抜けて油断しやすいこともあり、要注意です。

・習慣や価値観への配慮
排泄の習慣というのは人によって違いますよね。
例えば、男性であれば立ってしなければ気が済まない方もいれば、座ってする方もいます。
在宅介護を受けられる方は、これまでと違う排泄習慣にならざるをえないことも多いと思いますので、それを受け入れるには時間がかかる場合があります。

■まずはトイレで排泄できないか考えてみよう
当たり前ですが、トイレで排泄できればそれが一番いいことですよね。
以下に、対策可能な原因を挙げてみます。

1.トイレへの移動が不安
もし単純に『トイレへの移動が危ない』という理由でトイレにいけないのであれば、解決できるかも知れません。
足腰が弱ってしまったためにトイレに行けなくなってしまった、という方は多いのではないでしょうか。

・リハビリ
もちろんすぐに効果が出るものではありませんが、やはり地道なリハビリは大切です。
個人差はありますが、ご高齢であってもリハビリによって回復できることは結果として示されています。
また、今はトイレに行けている方でも、これからもずっとトイレで排泄できることを意識して早めにリハビリを始めることもとても大事です。

・手すり
何もないと転んでしまう危険があっても、支えがあれば歩けるという方向けです。

手すりの取り付けは介護保険が使えるということはご存知でしたか?

ケアマネジャーさんや福祉用具店へのご相談してみてください。
また、手すりがあっても足元でつまずくこともよくあります。凹凸がないかなどもちゃんと確認して気をつけてください。

・歩行器や杖を使う
手すりだけでは不安な方は、歩行器や杖を使ってトイレに行くことをオススメします。
補助となる器具は積極的に活用しましょう。

・ベッドをトイレの近くに移す
トイレとベッドが離れていて心配、という場合には、ご自宅の間取りにもよりますがベッドをトイレの近くに移動させるということを考えてみてはいかがでしょうか。
部屋のレイアウトを変えただけでご自宅での生活環境が良くなったというのもよく聞く話です。

・失禁してしまう
失禁の原因はいくつかあります。女性の場合、骨盤底筋体操が有効な場合があります。
そのほか、お薬が効く場合もありますので、かかりつけ医へご相談してみてください。

・便座に座れない
トイレまでは行けるけど、足腰が弱って一度便座に座ってしまうと自力で立ち上がれないという場合もあります。
そのような場合には、「補高便座」といって座面が高くなった便座を使うと立ち座りがラクになります。

2.おしっこに行きたい感覚(尿意)がわからない
脳梗塞の後遺症などで尿意がわからないためトイレにいけず、オムツにせざるを得ない方もいらっしゃると思います。そんな時は以下の方法でうまくいく場合があります。

・時間を決めてトイレにいく
人はだいたい同じ生活をしていると、排尿の時間もだいたい決まってきます。
まず、オムツが濡れるタイミングを数日記録してみましょう。
そうするとおおよそ尿がたまってくる時間がわかってくるはずです。
そのタイミングでトイレに行って尿を出してもらいましょう。
オムツが濡れたタイミングを正確に知りたい場合は、こんな道具もあります。

・DFree
膀胱にたまった尿の量がセンサーで分かる器具が販売されています。
これがあれば排尿のタイミングがより正確にわかります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

■トイレには行けないがオムツはイヤという場合は?
・ポータブルトイレ
ベッドのわきに置けるトイレです。
トイレまでは行けなくても、ベッドから移れる方なら利用できます。
難点としては、臭いが気になる、手入れが大変ということがありますが、現在は消臭機能がついたものがあったり、使い捨ての袋が使えるものも出ています。
あとは木目調で、一見普通のイスに見えるものもあります。
福祉用具店さんに聞くと色々と教えてくれるので、要望に合わせて聞いてみてください。

・集尿器
ベッドから自力では降りられないけども、手はしっかりと動かせる方にオススメです。
陰部にあてるだけで尿を自動的に吸い取ってくれます。
しびんではこぼれてしまうことがありますが、集尿器ではそのようなことはありませんので安心です。
夜間のおしっこが多い方にも良いでしょう。
ポイントとしては、寝たままでは排尿しにくいので、使う前に体を起こして座った状態に近づけてから使うと排尿しやすいと思います。
こちらも福祉用具店さんで取り扱っています。

■オムツがえの回数が多い
特に夜中のオムツがえは本当につらいですよね。
そんな時は、吸水力の高い尿取りパッド(1000cc程度の吸収量があるもの)を使ってみると良いでしょう。
夜のみ、パッドを変えるだけでも夜はぐっすり眠れるということもあります。
まず試してみたいという方は、福祉用具店さんに商品のお試し品を頼んでみてください。
また、尿意があり、使える方であれば先ほどの集尿器を試してみてもよいと思います。
あとは、排尿の回数が多い場合は膀胱炎や過活動膀胱といった病気が隠れている場合もあります。
一度かかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。

■その他のお悩みに
今回は排泄トラブルの対策についてお話させていただきました。
今回取り上げた内容以外でも、排泄についてさまざまなお悩みがあるかと思います。
日本コンチネンス協会というNPO法人では、排泄にまつわるお悩みの電話相談を受けてくれます。


排泄にまつわるお悩みがあり、なかなか相談できる人がいない方など、こちらにご相談されてみてはいかがでしょうか。
また、おくすりで解決できることもあります。
かかりつけ医の先生にご相談してみましょう。
私たちの医師相談サービスにもお気軽にご相談ください。

参考文献:排泄ケアガイドブック(一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会編)

在宅医療・介護のお悩み解決プラットフォーム

これからの介護がご不安な方に

安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。
2021/03/28

尿漏れ予防は毎日の引き締めから!

【ウエルライフ地域リハビリテーション・看護センター所長/作業療法士 山田京子先生ご寄稿】

骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れを防ぐことができます。今回は尿漏れを防ぐリハビリテーションをお知らせします。


<ハンモックのゆるみに注意!>

図のように骨盤底筋群は骨盤にハンモックのようについています。加齢とともに筋力が落ちゆるんでくるのは、想像しやしですね。

特に女性は妊娠や出産を経る方も多く、骨盤底筋群に負担がかかりがちです。考えてみましょう。ハンモックの上に生まれる前の赤ちゃん(3kgくらい)を載せていたら、ハンモックは下にさがりますよね。出産の際は開くわけですから、横に伸びてしまいます。

体の中のことで見えない分30代から骨盤底筋群のゆるみが始まっているのです。

でも以下の体操を日々の生活の中で心がけて頂ければ大丈夫。かくゆう筆者も咳をしたり、深くおしりを落として座った時の尿漏れに悩みましたが、現在は、その心配はなく過ごしています。


<骨盤底筋を鍛える体操>

①*上を向いて寝ます。

②肩幅に開いた両膝を曲げ、両手をおなかの上に置きます。

③ゆっくりとした呼吸で、肛門→尿道→膣の順に陰部全体を引き締めていきます。ぎゅっと引き締まったらからだをリラックスさゆるめます。

④「引き締める」「ゆるめる」を交互に行って下さい。

*慣れてきたら、椅子に座ったり、立っている時でも意識して行って下さい。


<男性の尿漏れ>

尿漏れは女性だけではありません。男性の場合は前立腺の病気で始まることも多く、そのサインを見逃さないようにしたいものです。

早期発見により薬物療法が効果を上げます。男性の方も心を引き締めましょう!


ウエルライフ地域リハビリテーション・看護センターのご紹介


2021/02/21

世界初!排泄予測センサー「DFree」

在宅療養では、失禁やオムツ交換など、排泄に関するお困りごとは多いですよね。 

実際に厚生労働省の調査では、介護している方のうち要介護1-2では約25%、3以上では約半数の方が排泄に関する不安を持っていることが分かりました。

実際に、排泄に関するトラブルでご家族が苦労されているのはよくお見かけします。

そこで今回は、世界初の排泄予測デバイスである「DFree」をご紹介させて頂きます。

※当サイトは商品のメーカー及び発売元とは一切関係ございません。


■超音波で膀胱内に溜まった尿の量が分かる

DFreeの仕組みは、消しゴム位の大きさの超音波センサーを恥骨の上あたりに貼り付けることで、4方向の超音波が膀胱の大きさを自動で計測してくれます。それにより、膀胱内の尿の量をリアルタイムで知ることができます。

DFreeの仕組み

例えば、トイレに誘導するタイミングが早すぎる、もしくは遅すぎて失禁してしまう、という問題がこれで解決できるように思います。

また、オムツ交換も適切なタイミングで行うことができそうです。

医師の視点から見ると、排尿障害(尿がしっかり出せない病気)の診断、治療にも使えそうだと思いました。


■効果

メーカーさんの資料によると、DFreeを装着することにより、次のような効果が認められたそうです。

①自立排泄の改善

トイレでの排泄率が23.7%増加。

②失禁率の減少

失禁回数が46.8%減少。

③介護負担の軽減

排泄関連作業が22.5%減少。


■考えられるデメリット

このように、とても活用できそうな機器ですが、考えられるデメリットもあります。

一つは価格です。個人向けのDFree Personalの価格は5万円前後です(2021年2月時点)。業務用ならまだしも、自宅で在宅療養している個人向けとしては高めな印象です。分割払いもできるそうですが、今後もっと入手しやすくなると良いですね。

もう一つは、想像ですがこの機器を装着したまま生活するのは人によってはちょっと大変そうです。特に認知機能が落ちている方などでは外してしまう可能性が高いかも知れません。装着を補助するDpadという付属品もあります。


排泄でお悩みの方には、使い方によっては大変有用かと思いますし、画期的な技術だと思います。ご家族の負担が減ればとても素晴らしいことです。

今後、より多くの方が恩恵を受けられるためにも、低価格化、小型化に期待です。


2021/01/03

夜間の頻尿!これって病気?

夜、トイレに起きる回数が増えたとご相談頂くことがあります。 

何かの病気の前兆ではないかと心配になりますよね。

また、夜の尿回数が多いと、睡眠の質も低下してしまい、QOL(生活の質)の低下につながります。

今回は、夜間の尿回数が増えた時に考えられる原因と対応について述べさせて頂きます。


■大事なのは「出ている尿の量」

夜の尿回数が増えたと感じた時に、まず確認して頂きたいことがあります。それは、一回毎の尿の量です。正確な量まで計っていただく必要はありませんが、ジョロジョロと普通の量がでるのか、それともチョロっと出ておしまいなのかだけでも有用な情報です。

なぜかと言いますと、これにより考えられる原因が以下に述べるように異なってくるからです。


■一回の尿量が少ない場合

この場合、考えられるのは

・過活動性膀胱

・膀胱炎

・前立腺肥大症(男性の場合)

・神経因性膀胱

・便秘

・不眠症、うつ病

などです。

頻度が多いものとしては過活動性膀胱、前立腺肥大症です。これらは緊急性の高い病気ではなく、上手に付き合っていく必要があります。お薬を使うことで改善が見込めますが、副作用もあるため、日常生活に支障がなければ様子を見ることも多いです。

今までにも膀胱炎になったことがあったり、排尿時の痛み、残尿感、血混じりの尿を伴う場合には膀胱炎の可能性が高くなります。膀胱炎の場合は抗生物質を服用することで治ります。また、治療があまりに遅れると腎盂腎炎という重度の感染症に進むことがありますので、早めに主治医の先生にご相談下さい。

神経因性膀胱とは、排尿するための筋肉を動かす神経系の異常により起こります。ほとんどはすでに病気がある方(糖尿病、脳梗塞、脊髄の病気など)に起こります。こちらもお薬が有効です。

あとは、不眠症やうつ病により「眠れないからトイレに行く」というパターンもあるため注意が必要です。


■一回の尿量が普通~多い場合

こちらの方がより注意すべき場合です。

この場合、考えられるのは

・心不全

・腎不全

・糖尿病

・高血圧症

・お薬の副作用

などです。

体重が急に増えていたり、むくみが出てきた時は心不全や腎不全を疑う必要があります。

また、糖尿病により血糖値が高くなることで尿の量が増えることがあります。糖尿病は血液検査をしないと分かりませんが、市販の尿検査テープが参考になる場合もあります。

血圧が高かったり、お薬の副作用で尿の量が増えることもあります。

いずれにしてもこの場合は早めに主治医の先生にご相談した方が良いでしょう。


いかがでしたでしょうか。夜間の頻尿にもたくさん原因があります。

一回の尿の量が大事な手掛かりになりますので、ぜひ確認してみて下さい。

何かありましたら主治医の先生、または当サイトの医師相談へご相談下さい。


他地域でも展開予定です。県外の方もお気軽にお問い合わせ下さい。

ご利用登録はこちら