訪問薬局のススメ
頼りになる!服薬支援ロボット
在宅療養では、お一人住まいの方や認知症のある方など、お薬を定期的にきちんと飲むことが難しいケースが多々あります。
以前、お薬が飲めなくなってきた場合の対応をご紹介させて頂きました(「お薬がうまく飲めない」をご参照ください)。しかし、それでも飲み忘れてしまう場合も多々あります。
そこで今回はお薬をしっかり飲むために役立つ「服薬支援ロボット」をご紹介します。
※当サイトは、該当製品の製造・販売元とは一切関係ございません。
■服薬支援ロボットってどんなもの?
あらかじめお薬を飲む時間を設定し、1週間分のお薬をセッティングしておくと、設定した時間に音声と共に自動でお薬が出てくる仕組みです。お薬を自分で飲める方であれば、これで飲み忘れ、飲み間違いを大幅に無くすことができます。飲み忘れだけでなく、飲みすぎ防止機能も付いていますので安心です。
また、通信機能も付いており、服薬状況がメール等で関係者に通知されます。
■どんな見た目?
ロボットというと、仰々しい物体をイメージされるかも知れませんが、実際はこんな感じです。
また、このように可愛らしいデザインのものもあります。
大きさはおよそ30㎝四方のものが多く、置き場所にも困りません。
■どんな種類があるの?
最近ではいくつか種類があります。いくつか例をご紹介します。
・服薬支援ロボKR-1000A(クラリオン)
https://www.clarion.com/jp/ja/products-business/care/KR-1000A/hilight/index.html#Fm-1Anchor
カーナビなどを製造している会社の製品。タッチパネルで使いやすい。
・eお薬さん(エーザイ) https://www.eisai.co.jp/news/news201702.html
製薬会社であるエーザイが開発。 お知らせの音声を録音することも可能。
・FUKU助(メディカルスイッチ) https://www.medical-switch.com/
可愛らしいデザインで、見守り機能も付いている。価格は高め。
・コッくんお薬よ~(ミヤサカ工業) https://okusuriyo.com/
シンプルなデザインで、低価格。
■費用はどれくらい?
・服薬支援ロボ…定価 12万円。レンタル、リースもある。
・eお薬さん…現在販売終了。レンタルあり(月額5千円前後)。
・FUKU助…レンタルあり(月額1万円前後)。
・コッくんお薬よ~…定価 39,800円(朝昼夜タイプ)、44,800円(朝昼夜寝タイプ)。
なかなか個人で購入するにはハードルが高いかも知れませんが、これでお薬がしっかり飲めるなら安いという考え方もあります。
薬局によっては、訪問薬剤指導を導入すると無償もしくは低額でレンタルしてくれるところもあるようです。
お薬の飲み忘れや飲み間違いで苦労されている方は一度検討されてみてはいかがでしょうか。
お薬がうまく飲めない
「最近、お薬が飲めていないのですが…。」
在宅ではそのようなご相談を頂くことがよくあります。
在宅療養をされている方は、そもそも色々な病気を抱えておりお薬をたくさん飲まれていることが多いです。そこに、加齢や病気の影響が加わり、飲み込みの力の問題、認知機能の問題などでお薬が以前のように飲めなくなってしまうことがあります。
今回は、お薬が飲みにくくなってきた時の対応についてお話させて頂きたいと思います。
1. お薬の数を減らす
まず行うべき対応は、やめられるお薬はないかを確認することです。
お薬は医師が処方していますが、以前の症状で出した薬を継続していることがあります。例えば、咳や痰の薬、胃腸の薬、しびれの薬などです。私たち医師も毎回全ての症状は確認していないこともありますので、現在症状が無くなっていれば中止できる可能性があります。
とは言いましても、主治医の先生になかなかお伝えしにくいという方もいらっしゃるかも知れません。
お薬の適応や効果についてお知りになりたい時は、かかりつけの薬局に問い合わせるか、医師相談フォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。
2. お薬の回数を減らす
今は色々な良いお薬が出ており、以前は1日3回飲まないといけなかった薬も1日1回で済むことがあります。回数を減らすことでお薬の錠数が減り、負担が軽くなる場合があります。
3. お薬のタイプを変える
お薬のタイプにも色々なものがあります。例えば、粉薬、水薬、貼り薬、坐薬などです。これらに変更することでお薬を継続することができる場合があります。以前の患者さんで、高血圧のためお薬を飲んでいましたがお薬が飲みづらくなってしまった方がおりました。お薬を止めるとやはり血圧が上がってしまいます。そこで貼り薬を試したところ、うまくいったことがありました。錠剤やカプセルが飲めない方でも、トロミ付きの液体なら飲めることもあります。
また、普通の錠剤でも水に溶かすことができる場合があります。
薬局さんに相談してみましょう。また、医師相談フォームからもお問い合わせ頂けます。
4. お薬のタイミングを変える
認知症のある方では特に、お薬を飲み忘れてしまうことも多々あります。
そのような場合は、誰か見守る人がいる時間にお薬をずらすのも手です。
例えば、朝は誰もいないけれども、昼には訪問看護さんが来る時などは朝の薬を昼にずらしたりします。
いかがでしたでしょうか。
必要なお薬を飲み続けることは安定した状態を維持する上でも大切なことです。
これらの方法を組み合わせることで、飲みづらくなってきたお薬も続けることができます。
以上の内容もご参考に、主治医の先生、薬局さんともご相談してみて下さい。