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care-eco's magazine

2022/09/02

心不全ってどんな病気!?【後編】

前半では心不全の原因、症状についてお話させて頂きました。

心不全ってどんな病気!?【前編】

後半では、治療や予防の方法についてお話していきます。


Q. どんな治療がありますか?

実は、心臓は皮膚などとちがって、一度傷つくと再生はしないと言われています。

そのため一度弱ってしまった心臓は、移植で取り替えない限り元には戻りません。


なので、残念ながら心不全はじわじわと進行してしまう病気なのです。


ですが、その進行を遅らせる治療はあります

例えば、ある種の血圧を下げる薬であったり、 最近では血糖値を下げる薬の一種も心不全に効果があることがわかっています。 


これらのお薬を早い段階でしっかり飲み続けることが重要です。


その他、心不全の原因に応じた治療を行います。


例えば、心臓に栄養を送る血管が細くなって心臓が弱っている場合(狭心症や心筋梗塞です)には、血管を広げるカテーテル治療を行います。

また、弁膜症が原因の場合は弁を修復する治療を行う場合があります。

Q. 何に気をつけたらいいでしょうか?

いちばん気を付けなくてはいけないことは、「お薬を毎日きちんと欠かさず飲むこと」です。


「え?そんなこと?」と思われたかも知れません。

これはどんな病気でも言えることではありますが、心不全をお持ちの方は特別に気を付ける必要があるのです。


なぜなら、心不全ではお薬を正しく飲まないことで、入院だけでなく死亡のリスクが上がることが明らかになっているからです。


もうひとつ注意することは、「塩分」です。

塩分は心不全の大敵です。


塩分というのは、「浸透圧」という力によって水分をため込む性質があります。

皆さんも、しょっぱいものを食べた日にのどが渇いて水をたくさん飲み、次の日にむくんでしまった、という経験はあるのでないでしょうか。


同じように、心不全の方が塩分をたくさんとってしまうと体に水分が溜まってしまいます。

水分が溜まると、結果的に体のポンプの役割をしている心臓の負担を増やしてしまうことになるのです。


そこで、日本循環器学会のガイドラインでは、1日の塩分を6g未満にすることが推奨されています。

Q. これからどうなるのでしょうか?

一般的には心不全になると寿命が縮まり、1年間で7~8%の方が亡くなってしまうというデータもあります。


また、中には心不全の症状が重くなり、入退院を繰り返しながら徐々に弱っていってしまう方もおられます。


そのため、早期からしっかりと治療することが大切になってきます。

また、あまり考えたくはありませんが、病気が進んでしまった時のことも考えて早めに介護保険などのサービスを検討することも必要です。


<終>


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安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。
2022年にえん在宅医療クリニックを開業。