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care-eco's magazine

2022/01/06

認知症の予防方法(1)

これから高齢化が進むにつれて、認知症をお持ちの方は増えてくると予想されています。

2025年には5人に1人が認知症を持つという内閣府の推計もあります。

平成29年版高齢社会白書(内閣府)


このように認知症は、もはや誰がなってもおかしくない病気となりました。

しかし、残念ながらまだ有効な治療薬がないのが現状です(2022年1月時点)。


そうなってくると、誰もが日頃から予防を心がけることが大切です。

今回は、科学的に効果が証明されている認知症の予防方法を、複数回にわたってお伝えしたいと思います。


◆認知症の予防

今のところ、研究でしっかりと効果が示されているのは以下の3つです。


・運動

・認知機能トレーニング

・生活習慣病の改善

・社会との交流


「え?これだけ?」と思われたかも知れません。

もう少し細かく見ていきましょう。


◆運動

有酸素運動(ウォーキング、自転車など長く続ける運動)が認知症を予防するという研究結果が出ています。


認知症まではいかないものの、認知機能が通常より低下している状態を、認知症の前段階としてMCI(軽度認知障害の略)と呼びます。

そしてMCIの状態の方の一部が認知症に進んでしまうことが分かっています。


このMCIの人たちに、有酸素運動を定期的にしてもらうと、運動をしていない人たちに比べて認知機能が改善するという、複数の研究結果があります(参考文献)。


劇的な効果とまではいきませんが、定期的な有酸素運動は体力の低下も防ぎますし、オススメです。


なお残念ながら、認知症を発症してしまった後では認知機能の改善効果は認められていませんが、適度な運動自体は良いことです。

認知症をお持ちの方でも、可能な範囲で積極的に運動されると良いと思います。


どれくらい運動するとよいのかまでは分かっていませんが、週に150時間(30分を週5日)あたりが目安です。

もちろん、「そんなにできない!」という方はもっと少なくても大丈夫です。

(持病が不安な方は、一度かかりつけの先生に相談してみましょう。 )

まずは始めてみて、少しずつでも長く続けることが大切だと思います。


次回は認知機能トレーニングについてご紹介します。

お楽しみに!

<終>


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安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。