介護保険ってどんな仕組み?介護度って?
介護にあたっては、介護保険を利用する方がほとんどです。
しかし、介護になじみがない方にとってはよく分からない制度ではないでしょうか。
今回は介護保険の仕組みについてご説明します。
◆「介護保険」ってなに?
保険という仕組みには色々ありますよね。
例えば身近なものだと自動車保険があります。
これは、自動車で事故を起こしたり、事故に遭ったりという、アクシデントが起こった時に保障が受けられる仕組みです。
介護保険では、「介護が必要な状態になる」ことがアクシデントにあたります。
つまり、介護が必要になった時(これを要介護状態といいます)に、保障が受けられるのです。
自動車保険では相手に与えた損害や、受けた被害によって保険金がおりますが、介護保険では、介護にかかる費用の大部分が保険金で賄われる仕組みです。
介護サービスは基本的に人的サービスで人件費がかかるため、そのままではかなりのお金がかかってしまいます。
それを保険の仕組みによって負担を軽くしよう、というのが介護保険なのです。
◆介護保険の仕組み
介護保険は、市町村が運営する保険で、40歳以上の方は加入が義務付けられています。
保険に加入して保険料を納めている方が、要介護状態になりますと保険給付の対象になります。
具体的には以下の条件を満たす方が対象です。
1. 65歳以上で介護が必要な方
2. 40~64歳で、特定疾病のため介護が必要な方
ただし、待っていれば自動的に向こうから給付してくれるというわけではありません。
給付の対象になるためにはまず市町村に申請をしなくてはならないのです。
申請は、お近くの地域包括支援センターもしくは役所の担当課で受け付けてくれます。
申請が通って要介護状態の認定がされると、次にケアマネジャー(介護支援専門員)という専門の方が担当についてくれます。
ケアマネジャーは主に介護の状況について相談に乗ってくれ、必要なサービスを調整してくれます。
ケアマネジャーが作るプランに沿って介護サービスが組まれます。
そしてその支払いの全額のうち、1~3割のみを自己負担し、残りが保険で給付されるという仕組みです。
この自己負担割合いは所得などによって変動します。
また、全額から自己負担分を引いた残りは市町村から直接事業所に支払われますので、私たちは自己負担分だけをサービス事業所にお支払いすれば良いのです。
注意すべきは、介護保険の対象になるサービスが決まっていることです。
介護保険の対象にならない自費のサービスもあります(例えば家政婦さんによる家事代行など)。
それぞれ長所と短所がありますので、上手に組み合わせることが大切です。
◆介護度とは?
介護保険について調べていると、「介護度」という言葉を目にすると思います。
介護度というのは、「どのくらい多くの介護が必要か」を表すランクです。
要支援1~2、要介護1~5の段階があり、要支援より要介護の方が、より介護が必要な状態です(つまり重度ということです)。
また数字が大きいほど重度となります。
この介護度がいくつになるかというのは非常に重要です。
なぜなら、この介護度に応じて保険の支給限度額が決まっているからです。
つまり介護度が高いほど支給限度額も高くなる仕組みです。
具体的には以下のとおりです(地域によりわずかな変動があります)。
要支援1 50,320 円/月
要支援2 105,310 円/月
要介護1 167,650 円/月
要介護2 197,050 円/月
要介護3 270,480 円/月
要介護4 309,380 円/月
要介護5 362,170 円/月
これは例えば、要支援1の方は月に50,320円分の介護サービス(訪問介護が1回4,000円とすると約12回分)までは自己負担1~3割で利用でき、それ以上にサービスを利用した場合は全額自己負担になるということです。
これを見ますと、介護度によって使えるサービスの量が大きく変わることが分かります(介護度が大きいとそれだけ労力もかかるので当然ではありますが)。
そのため介護度というのはとても重要なのです。
今の介護度がどれくらいなのか、おおよそのシミュレーションが可能です。
以上、介護保険の仕組みについてご説明させて頂きました。
いかがでしたでしょうか。
介護保険は少ない自己負担で介護サービスが受けられる、とても助かる仕組みです。
ぜひ有効に活用してください。
お一人お一人によって、適切なサービスの組み合わせや内容は変わります。
ケアマネジャーにご相談頂くか、ケアエコの相談サービスをご利用ください。