夜間の頻尿!これって病気?
夜、トイレに起きる回数が増えたとご相談頂くことがあります。
何かの病気の前兆ではないかと心配になりますよね。
また、夜の尿回数が多いと、睡眠の質も低下してしまい、QOL(生活の質)の低下につながります。
今回は、夜間の尿回数が増えた時に考えられる原因と対応について述べさせて頂きます。
■大事なのは「出ている尿の量」
夜の尿回数が増えたと感じた時に、まず確認して頂きたいことがあります。それは、一回毎の尿の量です。正確な量まで計っていただく必要はありませんが、ジョロジョロと普通の量がでるのか、それともチョロっと出ておしまいなのかだけでも有用な情報です。
なぜかと言いますと、これにより考えられる原因が以下に述べるように異なってくるからです。
■一回の尿量が少ない場合
この場合、考えられるのは
・過活動性膀胱
・膀胱炎
・前立腺肥大症(男性の場合)
・神経因性膀胱
・便秘
・不眠症、うつ病
などです。
頻度が多いものとしては過活動性膀胱、前立腺肥大症です。これらは緊急性の高い病気ではなく、上手に付き合っていく必要があります。お薬を使うことで改善が見込めますが、副作用もあるため、日常生活に支障がなければ様子を見ることも多いです。
今までにも膀胱炎になったことがあったり、排尿時の痛み、残尿感、血混じりの尿を伴う場合には膀胱炎の可能性が高くなります。膀胱炎の場合は抗生物質を服用することで治ります。また、治療があまりに遅れると腎盂腎炎という重度の感染症に進むことがありますので、早めに主治医の先生にご相談下さい。
神経因性膀胱とは、排尿するための筋肉を動かす神経系の異常により起こります。ほとんどはすでに病気がある方(糖尿病、脳梗塞、脊髄の病気など)に起こります。こちらもお薬が有効です。
あとは、不眠症やうつ病により「眠れないからトイレに行く」というパターンもあるため注意が必要です。
■一回の尿量が普通~多い場合
こちらの方がより注意すべき場合です。
この場合、考えられるのは
・心不全
・腎不全
・糖尿病
・高血圧症
・お薬の副作用
などです。
体重が急に増えていたり、むくみが出てきた時は心不全や腎不全を疑う必要があります。
また、糖尿病により血糖値が高くなることで尿の量が増えることがあります。糖尿病は血液検査をしないと分かりませんが、市販の尿検査テープが参考になる場合もあります。
血圧が高かったり、お薬の副作用で尿の量が増えることもあります。
いずれにしてもこの場合は早めに主治医の先生にご相談した方が良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。夜間の頻尿にもたくさん原因があります。
一回の尿の量が大事な手掛かりになりますので、ぜひ確認してみて下さい。
何かありましたら主治医の先生、または当サイトの医師相談へご相談下さい。