お薬がうまく飲めない
「最近、お薬が飲めていないのですが…。」
在宅ではそのようなご相談を頂くことがよくあります。
在宅療養をされている方は、そもそも色々な病気を抱えておりお薬をたくさん飲まれていることが多いです。そこに、加齢や病気の影響が加わり、飲み込みの力の問題、認知機能の問題などでお薬が以前のように飲めなくなってしまうことがあります。
今回は、お薬が飲みにくくなってきた時の対応についてお話させて頂きたいと思います。
1. お薬の数を減らす
まず行うべき対応は、やめられるお薬はないかを確認することです。
お薬は医師が処方していますが、以前の症状で出した薬を継続していることがあります。例えば、咳や痰の薬、胃腸の薬、しびれの薬などです。私たち医師も毎回全ての症状は確認していないこともありますので、現在症状が無くなっていれば中止できる可能性があります。
とは言いましても、主治医の先生になかなかお伝えしにくいという方もいらっしゃるかも知れません。
お薬の適応や効果についてお知りになりたい時は、かかりつけの薬局に問い合わせるか、医師相談フォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。
2. お薬の回数を減らす
今は色々な良いお薬が出ており、以前は1日3回飲まないといけなかった薬も1日1回で済むことがあります。回数を減らすことでお薬の錠数が減り、負担が軽くなる場合があります。
3. お薬のタイプを変える
お薬のタイプにも色々なものがあります。例えば、粉薬、水薬、貼り薬、坐薬などです。これらに変更することでお薬を継続することができる場合があります。以前の患者さんで、高血圧のためお薬を飲んでいましたがお薬が飲みづらくなってしまった方がおりました。お薬を止めるとやはり血圧が上がってしまいます。そこで貼り薬を試したところ、うまくいったことがありました。錠剤やカプセルが飲めない方でも、トロミ付きの液体なら飲めることもあります。
また、普通の錠剤でも水に溶かすことができる場合があります。
薬局さんに相談してみましょう。また、医師相談フォームからもお問い合わせ頂けます。
4. お薬のタイミングを変える
認知症のある方では特に、お薬を飲み忘れてしまうことも多々あります。
そのような場合は、誰か見守る人がいる時間にお薬をずらすのも手です。
例えば、朝は誰もいないけれども、昼には訪問看護さんが来る時などは朝の薬を昼にずらしたりします。
いかがでしたでしょうか。
必要なお薬を飲み続けることは安定した状態を維持する上でも大切なことです。
これらの方法を組み合わせることで、飲みづらくなってきたお薬も続けることができます。
以上の内容もご参考に、主治医の先生、薬局さんともご相談してみて下さい。