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care-eco's magazine

2022/05/26

眠れない!不眠の上手な解消方法

皆さんは夜しっかり眠れていますか? 

夜眠れなくてお悩みの方も多いですよね。

特に、在宅療養しているご本人様が眠れないと、介護をしている方も眠れなくなってしまいます。

そこで今回は、在宅療養している方の不眠を解消する方法のお話です。


◆生活習慣のチェック

生活習慣を少し変えることで眠れるようになるかも知れません。

まずは改善できる生活習慣がないかチェックしてみましょう。


・日光をよく浴びる

自然な睡眠には体内時計が最も重要です。その体内時計を整えるのが日光となります。

朝起きたら、できるだけまず日の光を浴びるようにしましょう。


・日中に刺激を与えて起こしておく

これも体内時計を整えるのに重要です。ご本人の興味があることをやってもらうなどして、なるべく起きてもらうとよいです。

お昼寝はしてもよいですが、午後の早い時間までにしておきましょう。


・カフェインを摂らない

コーヒーはもちろんのこと、緑茶、紅茶などもカフェインが含まれます。

少なくとも寝る前3時間以内には飲まないようにしましょう。

また、カフェインには利尿作用もあるため、後述する夜間頻尿の原因にもなります。


・寝る前に水分を摂りすぎない

寝る前に水分を摂りすぎると、こちらも夜間の頻尿につながります。


◆体の不調のサインかも

実は、不眠が病気のサインのこともあります。

以下のような症状はないでしょうか。


・頻尿

よく聞かれるのが、頻繁に夜トイレにいくために眠れないというパターンです。

泌尿器系の病気などが隠れていることがあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

夜間の頻尿!これって病気?


・息苦しい

夜になると息苦しくなってしまうことで眠れない、という場合があります。

これは、心臓の働きが弱っている「心不全」という病気のサインかも知れません。

その他、喘息や肺気腫などの肺の病気が隠れていることもあります。


・痛い、かゆい

体のどこかに痛みがあったり、皮膚の異常でかゆみがあったりして眠れない場合があります。


・せん妄

昼間は普通なのに、夜になるとつじつまの合わないことを言ったり、そわそわしたりして眠れない、という場合は「せん妄」という状態を起こしている可能性があります。

せん妄は、簡単に言うと「ひどい寝ぼけ」のような状態で、体にストレスがかかっていると発症します。ストレスを取り除いたり、お薬を使うことで和らげることができます。


・足がムズムズする

「なんだか足がムズムズするような感じがして眠れない」という方は、むずむず脚症候群かも知れません。

むずむず脚症候群は神経の異常により発症し、鉄不足、腎臓の障害などが原因となります。


以上のような症状に心当たりがある方は一度かかりつけの先生に相談してみましょう。

病気が隠れている場合には、その治療を行うことで眠れるようになります。

なかなか聞けないという方は、ケアエコの掲示板に相談してもらっても構いません。


◆睡眠薬との付き合い方

「睡眠薬は飲ませたくない!」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。

確かに睡眠薬は、副作用や依存が問題になることはあります。


ただ、上手に付き合うことで、害を最低限に抑えながらうまく眠れるようになります。


例えば、「ロゼレム」「ベルソムラ」「デエビゴ」といった新しい睡眠薬は、効き目はマイルドですが自然な眠りに近く、副作用や依存が少ないと言われています。


逆に注意が必要なのが、「ベンゾジアゼピン系」という睡眠薬です。

かなりたくさんの種類がありますので、具体的な名前は出せませんが、例えば~ゼパム、~ゾラムという名前のお薬が当てはまります。


これらのお薬は、依存性があり、さらに転倒のリスクが増えることが知られています。

なので、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を乱用することは避けた方がよいでしょう。


◆とはいっても急に止めると…

しかし、かといってベンゾジアゼピン系睡眠薬を長く飲んでいる方がこれを急に止めてしまうと、逆に良くないことが起こると言われています(離脱症状といいます)。


例えば、興奮してしまって逆に眠れなくなったり、不安が出てしまったりします。


なので、ベンゾジアゼピン系は急に止めてはならず、少しずつ減らしていくことが大切です。


いかがでしたでしょうか。

眠れない日々が続くことは本当に大変です。

少しでも安眠できて、穏やかな日々を送れるように願っております。

<終>


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安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。
2022年にえん在宅医療クリニックを開業。