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care-eco's magazine

2021/01/13

あっ危ない!!転倒を防ごう!

ご自宅で過ごすご高齢の方にとって、転倒はまさに天敵です。 
昨日まで元気に歩いていた方が、ちょっとした転倒をきっかけに骨折し、動けなくなってしまい、そのままおうちに帰れないというケースはよく見かけます。ある研究によれば、骨折後に最大37%もの方が1年以内に亡くなってしまうという、恐ろしい結果もあります。
逆にしっかりと対策を行うことで、転倒は予防することができます。
今回は転倒の予防方法についてご説明したいと思います。

■転倒を起こす原因
なぜ高齢になると転倒しやすくなるのでしょうか?もちろん、足腰の筋力の低下は一つの理由です。実はそれ以外にも理由があります。
例えば、

・バランス感覚の低下
・視力の低下
・お薬の副作用
・認知機能の低下
・自宅の環境

が挙げられます。
お薬としては、特に睡眠薬(ベンゾジアゼピン系など)を飲んでいる方に転倒が増えることが知られています。その他にも、血圧の薬が効きすぎたりしても転倒の危険が増えます。
認知機能が低下すると、床の段差や障害物が認識できなくなってしまい、転倒してしまいます。

■検討すべき対策
これらの原因に対して対策を行うことが転倒の予防につながります。

1. 運動
定期的な運動は、筋力やバランス感覚の維持につながります。また、骨を丈夫にする効果もあります。有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせると効果的です。
ただ、なかなかご自分では難しいという方もおられると思います。その場合は、お近くのサークル、フィットネスジム、通所・訪問リハビリを検討されてはいかがでしょうか。

2. 眼科受診
老眼に加え、白内障、緑内障、さらに糖尿病のある方では糖尿病性網膜症といった病気が隠れていることがあります。これらの治療を行ったり、メガネを調整することで転倒予防が期待できます。転倒の不安がある方は、一度眼科の先生に診てもらうことも検討しましょう。

3. お薬の見直し
先ほど述べたように、睡眠薬などお薬の副作用で転倒する危険が増えます。もし該当するお薬を飲んでいる方は、他の薬に変えられないか一度主治医の先生にご相談してみて下さい。お薬のことが分からない時は、薬局に問い合わせるか、当サイトの医師相談へご相談下さい。

4. 環境を整える
以下の対策が考えられます。
・杖や歩行器の使用を検討する
・自宅内の段差をできるだけ無くし、心配な場所に手すりを付ける
・カーペットなど滑りやすい物を床から除く
・スリッパを止め、滑り止めのついた靴下を履く
・転倒に備えて床に衝撃吸収マットを敷く

■骨を丈夫にすることも大事な対策
以上の対策に加えて、食事も大事な予防になります。カルシウムはもちろん、筋力を維持するためのタンパク質を意識的に摂取することが大切です。

いかがでしたでしょうか。転倒は一瞬ですが、その後にとても大きい影響があります。ぜひ上手に予防して、元気に過ごしましょう。